ふがいない。

ウリの親友にカノジョが出来た。
33歳独身で、中身はイイのに容姿が若干、可哀想な人だ。
中身がイイから、そこそこモテるはずなのに、
カノジョ出来そうで出来ない、そんな人だ。

ウリにメールで報告があったそうだ。
21歳のカノジョらしい。快挙だ。
ところがウリは、

『信じられへん!! 21のガキなんかと付き合って
　うまくいくハズね〜わ。歳考えろよ〜…。
　ベッピンか聞いたら、そーでもない…だってさ。
　結婚考える相手と付き合えよな〜…　こりゃ長続きせんだろな』

…という。
嫉妬ムキ出しである。
そこでアタシはまた、あの過去が蘇る。

『テメェだって、20そこそこのオンナと遊んでただろーが？』

言いたくなかったのに言ってしまった。
またその話むし返すのか…といったカンジのウリ。
何度だってむし返してやるよ。
死ぬまで言い続けてやるんだ。
でも、むし返すたびに自分で自分の首を締める。

『オマエの遊んでた女子大生はベッピンだったのか？』

いたずらにウリに聞いてみる。
アタシはそのオンナの写メを見たから、
目が線のように細くて、
肩幅のデカい女だ…ってことまで知っている。
知っていながら、ウリに聞いた。

『…そりゃまぁ、…そこそこカワイかったよ』

無視やノーコメントは絶対に許さない…と言い聞かせていたので、
ウリは嫌々ながらもそう答えた。

カワイかったよ…って何だよ!?
嘘でもいいから、そこは『かわいくない』だろ…。
てかマジでカワイくないんだってば!!!　知ってんだからな!!!
でもウリにとっちゃ、カワイイの部類…。
アタシのことも「カワイイ」って言うけど、
同じ土俵とも思いたくないし、勝者とも思いたくない…。
てゆーか、若さでは完全な敗者…。

『この件を、最初から見抜いてたら
　アタシは絶対、付き合ってなかったし結婚してなかった。』

いつもの締めくくり。
締めくくろうと思ったら、敵はまだ、何か言ってきた。

『平日、疲れて仕事から帰ってきてるのに…
　その話なら日曜日にしてくれよ…』

開き直るように言ってきた。

その夜、アタシはまた眠れない。
眠れないし、モヤモヤするし、泣けてくる。
なんてゆーか、「嫉妬」と思いたいんだけど、
そうじゃなくて、激しい「後悔」…といったところ。

結婚してしまった後悔もあるけど、
またこの話をしてしまった自分のふがいなさに。

何回言ったって、過去は変えられないのにな。
分かってるんだけど、どーしようもねぇ…。